バンドリーダ大月の選曲は軽快な展開が多い。うしろから見る妹尾美穂も楽しい。以前、その軽やかな心地良さから妹尾美穂を「歌うピアノ」と称したが、実は「踊って歌うピアノ」だった。つねにステップを刻む足。大きくしなり、揺れる肩。全身が躍動している。
今日のブラスはかっこよかった。BIGNAMEなんかいらない。そこにグルーヴがあることが楽しい。なめらかなトロンボーン。情熱的なサキソフォン。激しい叫びからフリューゲルの柔らかな音までこなすトランペット。
妹尾美穂のオリジナル「ソングオブサイレンス」にブラスが絡む。アレンジが斬新で楽しい。風が吹いたあと、短く響く冴えた音が連なり、テンションを積み上げる。ひとつひとつの打鍵に胸の奥がざわつく。テンションの高まりとその一瞬の崩壊の繊細な展開が妹尾美穂のセンスだ。
0 件のコメント:
コメントを投稿