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2013年9月7日土曜日

ZONE secret base / Galileo Galilei @ あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。

   札幌のガールズバンドZONEが「secret base ~君がくれたもの~」で一躍脚光を浴びたのが2001年。

♪きみと夏の終わり 将来の夢 大きな希望 忘れない
 10年後の8月 また逢えるのを信じて 最高の思い出を
http://www.youtube.com/watch?v=XaFPFzW4KcA

   そして、まさしく10年後、その世界観を具現化したアニメ「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」の放映が始る。真夜中にも関わらず、回を重ねるにつれ高い視聴率をあげるようになった。「secret base ~君がくれたもの~」は劇中でも、迷い彷徨う少年少女の夏のドラマを盛り上げた。

めんまの死は、秘密基地に集まっていた超平和バスターズのそれぞれに影を落とす。バラバラになり思春期を迎えてもそれは晴れることはない。ところが、じんたんだけに見える幽霊となってめんまが突如現れてから、また秘密基地に集まってくる。葛藤をのりこえ、見えないめんまへそれぞれの伝えたい言葉を届ける。姿を現しためんまが消える直前に流れてくるsecret baseのイントロに胸が疼く。
http://www.anohana.jp/
 主題歌は、Galileo Galileiの「サークルゲーム」。ギター・ロックバンドテイストをひそませながら、軽やかに夏の風を歌い上げる。夏の終わりにお奨めです。

2013年8月15日木曜日

実写版エヴァンゲリオン Kaijyu vs. Yeager 菊地凛子 @ パシフィック・リム

 全世界を襲う「Kaijyu」と戦う人型巨大兵器「Yeager」。いわば子供向け題材に200億円を投資したハリウッド。菊地凛子は、その超大作ハリウッド映画でヒロインとなった初の日本女優である。

 これまでの観た出演作では、バベルの女子高生役やノルウェーの森での18歳の直子役など、年齢的に無理な設定の印象が強い菊地凛子だが、今回はそれらを一蹴するハマり役だ。なにしろ、監督は菊地をイメージして脚本を作ったというのだからハマらないわけがない。
  
  チャーリー・ハナムとの武術での対決シーンは、凛々しく華麗なハリウッド・ヒロインのオーラに圧倒される。

  内容的には実写版エヴァンゲリオンと呼ばれるほどエヴァにシンクロしているf^^;パイロットとイェーガーとの神経接続やイェーガーの暴走シーンなど間違いなくパクリだ。
  ヒロインにアスカ・ラングレーぽい欧米美人を起用すればもっと興行収入は伸びたと推察できるが、日本の怪獣ものやアニメを見て育った米国監督が、日本へのオマージュを込めて日本人ヒロインと子役(芦田愛菜)を起用したのだと解釈しよう。

2013年8月14日水曜日

ニコール・キッドマン ザック・エフロン 増幅する闇 @ ペーパーボーイ 

 犯罪者に性的倒錯する危ない女とマザコン兄弟のそれぞれの性癖が人間の闇をさらに増幅する。1960年代の黒人差別が残る南部。ぎらつく陽射しと欲望と狂気。殺傷シーンでは観客から悲鳴もあがる。
地元の新聞社の見習いザック・エフロンのまえに突如現れた年上の女。ペーパーボーイにとって、ニコール・キッドマンは、恋人で、母で、性欲の強いバービー人形だった。凶暴な男との沼での生活を後悔しはじめたニコールはあなたが正しかったと手紙を出す。
 ミステリーでもサスペンスでもなく、もはや真相は意味をなさない。陰惨な闇が広がる、そんな映画だった。それぐらい、役者の力量がすごい。

 「イノセント・ガーデン」では、事故で夫を亡くし、葬儀当日に突然と現れた義弟と実の娘に翻弄される情緒不安定な母を演じていたニコール。そのときのインタビューで映画での暴力表現について、こんなふうに答えている。

 「搾取的な暴力は好きじゃないけれど、関連性がある場合に映画で暴力を使うことには反対していない」
 「知的なアイディアが元になっている限り、それに単なる搾取でなければ、そういう作品も検討するし、非理知的に、知的に要求されることもかまわない」
 「そういう要求は受ける気持ちがあるし、オープンに対応する。たとえば芸術を見せるような形だったら、自分の芸術で暴力を扱うこともかまわない。文学や映画という観点では、暴力があることを受け入れているから、時には、進んで自分自身をそういう要求される立場におくつもりもある。」

 ペーパーボーイ、なるほどR15指定です。

2013年8月4日日曜日

謎解きはParadise Kiss(パラキス)のあとで 矢沢あい*北川景子 毒舌執事と刑事令嬢

 映画化された矢沢あいの「Paradise Kiss」(通称:パラキス)は「NANA」と同時期の作品で彼女が漫画家として完成域に入ったときの作品だ。デザイナーセンスが光るキレの良い画力に魅了され惹きこまれると、深い人間洞察から生まれたキャラクターは活き活きと読者のなかで育つ。その若くて未熟な男女の出会いやすれ違いに翻弄させられ、すっかり矢沢あいの世界の漂流者となる。

 












   そのパラキスのヒロインに抜擢されたのが「北川景子」だった。映画「NANA」ではバンドメンバーのキャスティング(中島美嘉・宮崎あおい・松田龍平・成宮寛貴・平岡祐太・松山ケンイチ・玉山鉄二etc)で原作のファンからイメージが違うとブーイングがあったが、北川景子はヒロインとしてど真ん中だった。学園のフェスティバルのデザイナー発表会で仲間が創ったブルードレスを纏う素人モデルはこう云ってステージに向かう。

「大丈夫、任せて。この会場のすべてのひとを、わたしが楽園(パラダイス)に連れて行く」
このときの北川景子は、矢沢あいが描く早坂紫を凌駕した。


 












  2011年度の「本屋大賞」第一位で年間ベストセラーの「謎解きはディナーのあとで」は毒舌執事と刑事令嬢というエキセントリックな設定だが、見事に北川景子がはまる。そして「失礼ながら・・・、お嬢様の目は節穴でございますか?」で始まる櫻井の毒舌は展開がわかっていても笑ってしまう。家族ゲームで鬼気迫る家庭教師を演じきった櫻井の演技は安定感がある。
 それにしても、共演が華やかだ。基本コメディーだし、TVの続きくらいで観に行くとけっこう見応えあるのでお薦めです。

 <TVレギュラー>
  影山:櫻井翔 ・宝生 麗子:北川景子 ・風祭 京一郎:椎名桔平
 <劇場版ゲスト>
  中村雅俊・桜庭ななみ・要潤・黒谷友香・生瀬勝久・竹中直人・鹿賀丈史・宮沢りえ

2013年6月8日土曜日

リアルに首長竜が怖い 佐藤健*センシング*綾瀬はるか

 第11回『このミステリーがすごい!』大賞が原作の姉と弟の物語は、漫画家の「綾瀬はるか」とその恋人の「佐藤健」が織り成すサイコミステリーになっていた。
自殺未遂で昏睡状態の恋人の意識に入り覚醒を促そうとする佐藤だが、副作用の幻覚に悩まされ、綾瀬の無意識に住みついた怪物と戦うことになる。
 いわゆるホラーならそれなりのバイアスを持って臨むが、その準備がなく、ましてやほのぼのキャラの綾瀬はるかの映画で、こんなに振り回され、追い込まれるとは思ってなかったf^^;絶望の叫び声も佐藤よりも綾瀬の方がリアリティがあった。

 佐藤健は「BECK」で水嶋ヒロや桐谷健太と共演し生来の天才ボーカリスト「コユキ」として、繊細で気弱な少年の役を好演した。その後、NHK大河ドラマ「龍馬伝」で人斬りの岡田以蔵、「るろうに剣心」では人斬り抜刀斎とその「眼」力で採用されている。その繊細と狂気が入り混じった佐藤健がいい。

 これ並みの映画じゃないよ^^あ、最後のミスチルの音楽はなくてもいいな

2013年6月1日土曜日

映画の日 イノセント・ガーデン 狂気の国のアリス ミア・ワシコウスカ

  毎月1日は映画の日で千円。朝から観たトム・クルーズのオブリビオンは最前列しか空いていなかった。川崎駅周辺にチネチッタ、109、TOHOのシネコンがあるけど、「イノセント・ガーデン」をやっていたのはTOHOだけで、もう夕方の回しか空きがない。

不思議の国のアリス

 父親の葬儀の日、母子(ニコール・キッドマンとミア・ワシコウスカ)のもとに、いままで会ったことのない叔父(マシュー・グード)がやってきて、それ以来周囲から人が消えていく。

 ミア・ワシコウスカは2010年の「不思議の国のアリス」の抜擢で名をはせたが、美人とか可愛いとかでなく、ちょっとエキセントリックな印象の少女だった(共演のアン・ハサウェイの白の女王も十分奇妙だった)。それが、今回のサスペンスでは知的で寡黙な少女役が見事にはまる。邦題のインセント・ガーデンも意味深い。庭は父親が子供のころからイノセントな場所ではない。

  冒頭で、草原の風に吹かれながら佇み微笑む、「満たされたい私の欲望」の独白の本当の意味は最後の最後で知る。父親は娘の異変にいつから気づいたのか。母親が怯えたように娘に問う、Who are you?は娘の欲望の萌芽を表すのか。

 ハンティングで緊密な関係を保ち母親がわりこめないほどの関係を築いていた父と娘。獲物を狙う目が魅惑的で、確実に獲物を仕留める技量を磨いている。メトロノームの緊張感や物が壊れる音のかぶせ方、ディミニッシュだけど冴えた色の映像美も息つかせない。叔父とのピアノ連弾で目覚める娘の本能(悪意?)の描写も見事。ニコール・キッドマンが、悪意に翻弄される「ふつう人」の母親役をよく演じてます

 揺れるスカートに少女が巻きつけた父親の長く太いベルトが怖い・・

2013年5月18日土曜日

「探偵はBARにいる」 カルメン・マキ 大泉洋 松田龍平

 30年前に新宿のライヴハウスでスピーカーの陰からロックの女神カルメン・マキを聴いていた。そのカルメン・マキが「探偵はBARにいる」に歌手マキ役で冒頭に登場し主題歌「時計を止めて」を歌う。エンディングロールでもじっくり聴かせてくれる。
http://www.youtube.com/watch?v=SEopiZjEM1I

 大泉洋がカッコいい?と思ってしまう映画。松田龍平はNANAのレン役はハマらなかったが、親父と同様、無頼ものが似合う。空手のアクションは様になっていて爽快だ。小雪もよかった。
http://eiga.com/movie/55983/video/

 で、続編の2は前作の興業収入を軽くクリアしたようだが、前作の衝撃が凄すぎて2はすこし物足りない。スケール感、情念、脚本、伏線、キャストそして季節。やっぱり、ススキノには冬が似合う。また、雪上の格闘シーンが観てみたい。

2013年5月5日日曜日

コナン 絶海の探偵 毛利蘭&工藤新一 斎藤和義♪ワンモアタイム

 鳥取シネマはいつになく満員。さすが、鳥取出身の漫画家青山剛昌の地元です。家族連れより、中学生や特に女子高生グループが目立つ。倉木麻衣など女性ヴォーカルの主題歌の印象が強いコナンだが、今回は、なんと斎藤和義。ギターリフが楽しい、ゴキゲンソング♪
http://www.youtube.com/watch?v=Sf9xQmt8WrU

ガキンチョの映画なのに、相変わらずやられてしまう。絶海に投げ出された蘭を新一が救えるのかとハラハラ。レーダー反応がないときの園子や新一の描写がリアル。かなり完成度の高いラブコメエンターテインメントになっている。

 「だって、どこにいたって見つけてくれるんでしょ?名探偵だもんね」
 「おまえの一人や二人、すぐみつけてやるよ」

 で、最後、柴崎コウ(藤井七海役)がコナンに問う。「何者なの?」
. 「江戸川コナン、ただの小学一年生さ!」
  地元鳥取でも場内のざわつきはしばらく消えませんでした。
  小4くらいかと・・小1はないじゃろf^^;

2013年4月14日日曜日

重力ピエロ 春が二階から落ちてきた 岡田将生 加瀬亮 吉高由里子

 重力ピエロを読んだのは4年前。横川の本屋でたまたま手にし、しばらく伊坂幸太郎の作品の虜になっていた時期がある。陰惨な題材を扱っているのに、家族それぞれの意思・行動が美しいと思わせる不思議な作品だった。春が二階から落ちてきたの書き出しには、ちょっとやられた。
ストーリーはほとんど忘れてしまっていたが、そのドラスティックな展開に翻弄されながら、最強の家族ひとりひとりの個性がとても印象深く残っていた。父親は穏やかだが知己に富み、自分の生き方に矜持を持っている人。先だった母親は陽射しのような笑顔を持つ、美しい人。兄の泉水は弟思いのいい奴で、弟の春は天才肌のかっこいい奴。

 二階から落ちてくる岡田将生は、はまり役。映画(GyaO!)では岡田以外の配役に最初違和感を覚えたが、次第にそれぞれ(加瀬や小日向)の演技に惹きこまれていく。美少年の春と陽射しのような笑顔の母の陰りの原因も次第に思い出してきた。あれ、いきなり吉高由里子。春を追いかける夏の意味でストーカー「夏子」さん登場。「蛇にピアス」の主演後の登場でまだ初々しく、原作でバリバリのキャリアウーマンに変身した夏子さんではなかったのが残念。

 犯人役の渡部篤郎も、母親役の鈴木京香も、最近のCM(ダイハツ)の法廷シーンで登場する。けっこう、すごいキャストを集めているが、その当時は、映画の存在自体知らなかった。鈴木京香もまだセカンドバージンが始まるまえで、「あなた、危険な香りがする」とCMで言いそうなかんじはない。・・・「はい、そこまでぇ」


 

2013年3月9日土曜日

おおかみこどもの雨と雪 祝!最優秀アニメーション作品賞

雨が降った夏の日に、たまたま時間合わせで観た「おおかみこどもの雨と雪」。宮崎あおいが声優やっていることは知っていたがファミリー向けほのぼの系だろうと期待していなかった。

花は運命を受け入れるように狼男を受け入れ、狼の遺伝子を持つ年子を授かる。狼姿の彼とのベッドシーンとか、狼の死体がゴミ収集車に処理されるなど、まあちょっと変わっていた。そこからはシングルマザー花と子供たちの物語になる。
田舎生活からの子供の奔放さが楽しい。雪景色や森での子供たちの疾走描写はすごかった(CGが結構凝っていた)。生命力に溢れているかんじ。

狼として生きることを選んだ雨が山に戻っていくシーン。「まだ、なにもしてあげてないのに」と泣き叫ぶ宮崎の声は切なく胸を締め付ける。人として生きることを選んだ雪は、嵐の学校で少年に自身の正体を明す。知っていたよと、ずっと苦しんできた雪を受け入れる少年。二人の将来をうかがわせるような安堵感にまた胸が疼く。

ワンピースやヱヴァンゲリヲン:Qといった大型企画に次ぐ興業収入で堂々の最優秀。納得です^^

桐島、部活やめるってよ  橋本愛

予告編で「桐島、部活やめるってよ」を観たのは夏くらいかな。奇妙で不思議なタイトルだけが印象に残っていた。たまたまネット視聴したのが最近。で、昨日のWBCの裏チャンネルで日本アカデミー賞をやってて、橋本愛が泣いてると思ったら、映画は三冠を獲得して、17歳の本人は新人俳優賞を受賞していた。
橋本愛 25.media.tumblr.com
3年前の「告白」では、委員長でかつ怪しい殺意を持つ女子中学生だった。松たか子の演技が注目されていたが、魔の14歳達の配役の妙があって映画は成功している。初キスが映画だったことにナーバスになってたコが、いまやドコモやコーヒーのBOSSで毎日TVに出ている。本人曰く、血糊が似合う顔立ちで、そういう役も多くどこかミステリアスで幸せが似合わなさそう。

スーパースターの桐島が部活をやめるらしいと、高校中がざわついている。学校にはカースト制度があって、桐島はその頂点にいる。ヒエラルキーの維持にしがみつく周りのとりまきはそれに左右される。ただ、その底辺にいると看做されながら、カーストや桐島に支配されていない映画部は、ゾンビ映画づくりに夢中だ。橋本愛はヒエラルキーの上層部にいながら、そこに縛られない映画部にシンパシーを持つ。まあ、最後はゾンビに首筋を食いちぎられるけど。(やっぱり血糊が似合う)

 
映画出演が続き売れっ子だが、性分もナーバスで心を閉じた時期もあり撮影中もいろいろ悩んでいたらしい。まあ、ふつうの17歳ができないことをやってるんだから、そりゃそうだろうと思う。NHKの朝ドラにも出るらしいが、あの眼差しは朝に相応しいのだろうか

★公開初日、号泣の舞台挨拶

2010年12月19日日曜日

ノルウェイの森

 村上春樹が群像の新人賞を取った作品「風の歌を聴け」をリアルタイムで読んだことがある。

 大学の図書館でさらさらと群像のページめくると、小説の文中に「こんなかんじ」とTシャツのイラストが描かれていて、文章で表現すべき作家がこんな遊びをして文学賞を取れる時代なんだと驚いた。それが許される才能があったということ。そのまま、さらさらとした文体を流し読んだ。

 それ以来、村上の作品は読んだことがない。ノルウェイの森は書店で、終わりの数頁だけ読んだ。いまどこにいるのと問われたワタナベが「僕はどこにいるんだろう」とつぶやくように答える。映画の最後のシーンになって、それを思いだした。もう人生の後半にいると、アイデンティティを問われても響かない。(て、嘘だけど)

 死の匂いを纏う直子や奔放に生きる緑が持つそれぞれの危うさに、男はつねにうろたえるしかない。そして、自殺したキズキ、直子、ハツミの孤独はもちろん、誰しも他人を理解することはできない。

「人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。
 愛しても愛しても愛されなかったり
 受け入れても受け入れても受け入れられなかったり
 それが生きるということで、
 命ある限り、誰もそこから逃れることはできない」 by 森絵都

 男性を受け入れられない直子の身体はそのメタファとして描かれている。ワタナベは、宛てのない旅(喪失と再生)のさなかにいいる。

 永沢がワタナベに「自分に同情するな」と言った。「自分に同情するのは下劣な人間のやることだ」と。
 人間の品性の意味と捉えればわかる。「I'm not ok」(過度に内罰的なスタンス)でいることの罪を永沢が知っているから言える言葉だ。品性のある人間は、自分も相手も認めることができる。
(I'm ok  and  you're ok)

 現在のメイク技術をもってしても、菊池の顔と肌を二十歳に見せられなかったのが厳しくて残念。演技は申し分ないが映像がそれを妨げ、痛々しい。その対比で松ケンはピチピチだったけどf^^;

 夏から秋にかけての草原の緑の広がりと奥行き、二人を包み込む風の匂いや湿り具合の表現、雪化粧した山間の風景など映像美が素晴らしい。
 ワタナベが泣き叫ぶシーンの荒れる日本海(兵庫県香住で撮影)は、山陰の冬そのままでした。

2010年8月24日火曜日

カラフル 森絵都 他人の人生にホームステイ


森絵都が描く世界は児童文学という範疇。

大きな過ちを犯して死んだ「ボク」は自殺した少年マコトの身体にホームステイして自分の犯した過ちの大きさを知る修業を命じられる。

マコトはいじめられっ子で、臆病で、
みすぼらしい、みっともない少年。

ホームステイ先が、冴えない少年で不満なボク。

でも、
他人の目で、家族や部活の友人、初恋の相手と
関わると、みんな一色ではない、カラフルな色彩を
持っている。苦しんでるけど、誰かを助けてる。
それぞれが影響しあっている。
それをわかっていれば、マコトは決して自殺する
ことなんてなかっただろう。
ボクはずっとマコトでいたいと願いさえする。

で・・
それを、ヤングアダルト(中高生)向けでなく、
成人や中年といった
いまの自分にあてはめてみることもできる。

人生を憂うとき、他人のまっさらな目で、
自分を生き直してみたら、今までと違う色で
人生を見ることができるかもしれない。

森絵都の別の作品(児童文学ではない)で、
ヒロインがこう述懐している

 人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。
 愛しても愛しても愛されなかったり
 受け入れても受け入れても受け入れられなかったり
 それが生きるということで、
 命ある限り、誰もそこから逃れることはできない

ともあれ、人生そう捨てたもんじゃない。
カラフルは、全世代へ共通するメッセージを持っている。

2010年6月19日土曜日

松たか子 ドッカーン なんてね @告白

湊かなえの原作が凄い

学校で娘を殺された母が教え子に復讐を宣言する

ターゲットはマザコン少年二人

殺意ある少年は教師の娘を殺せず
殺意ない少年が教師の娘を殺める

母の愛を得られなかったデキるコと
母の溺愛を受けるやればデキるはずのコ

デキるはずのコはすぐに術中に嵌り
次第に正気を失い母を殺す

シャボン玉が
パチンと割れるように
愛を失ってきたデキる少年は
遠くにいる母の愛を得るために
暴走を続ける
周囲を馬鹿にし続けながら

空洞を持つ少女もまた
怪しい殺意を内に秘めていた
満たされぬ者が寄り添いあう時間は短い
マザコンと罵られた少年は少女を殺める

少年は大量殺人を犯すことで
母の心を振り向かせようとし
母に最後のメッセージを贈る

しかし結局
教師の復讐の策略に落ち
自らの手で愛する母を殺めたことに
気づかされ愕然とする

パチンではなく、ドッカーンと

馬鹿ですか?
教師が冷徹に少年に言い放つ

女は、娘を失った時点で母も教師も捨て
復讐の亡者となっていた

三人の母がいなくなって
永久に愛を得られない子供達の絶望と
青く燃え続ける憎悪だけが残される

愛の欠乏が憎悪を因果を生む

原作にはない松たか子の「なんてね」が怖い

2009年の本屋大賞
文庫本は2010年初のミリオンセールス
映画は首位を走り、その興行成績は社会現象とまで言われるほどだ

松たか子が原作にない
「ドッカーン」で
数々の主演女優賞を
獲るのはもう間違いない 

2010年6月13日日曜日

菅野美穂 なおちゃん @パーマネント野ばら

「ずっと好き」はどこにもないから、私は毎日、小さな嘘をつく・・・・・・

 小さな漁師町。ここに住む女性には行き場がない。空と海が美しい、閉ざされた町。
 わたし、この町きらい。カスばっかりが残ってる(なおこ)

 西原理恵子の漫画なのに珍しいくらい主人公は普通の女性だ。パンチパーマのおばちゃんだけでなく、友人のみっちゃんも、ともちゃんもダメンズウォーカー。ヒロインのなおちゃん自身も離婚した出戻り。原作では初老の彼との回想シーンがあるが、映画では、高校教師の江口洋介が恋人役。なおこ以外の女性はみんなキャラが強烈で、その分抱えている傷が哀しい。なおこは普通。・・・あれ?、なおちゃんも変だ・・・。誰にも見えない、もう死んでしまった相手と海辺でデートする。

 みっちゃん、わたし、くるうとる?(なおこ)

 そんなんやったら、この町の女は、みんなくるうとるわ。(みっちゃん)

人生うまくいかないし、みんなおかしい。でも、みんなそれを問いただしたり、責めたりしない。みんな、わかってて、何も言わず寄り添って生きている。なおこが嫌いな町は、哀しい女たち、みんなを受け入れている。 

2010年6月10日木曜日

アンジェラ・アキ 手紙~拝啓 十五の君へ~ @書道ガールズ!! わたしたちの甲子園

 ♪人生の全てに意味があるから 恐れずにあなたの夢を育てて Keep on believing (手紙より)
 ちょうど1年前の鳥取のライヴで、アンジーがアメリカでの辛い過去を語ったとき、あちらこちらで、すすり泣きさえ聴こえていた。「でも、ひとは立ち直ることができる。いまのあなたのその苦しみでさえ意味があったことをわかる日が必ずくるのよ」

 紙の町・愛媛県四国中央市で、高校の書道部のパフォーマンスが一気に全国に知れ渡ったのが2年前。坂道を降りると、紙パルプ工場の煙突と白い煙、そして青い海が広がる町。だけど、商店街はかんこ鳥。不況の真っ只中で、第1回 書道パフォーマンス甲子園が開かれ、メディアの脚光を浴びる。地元三島高校の女子書道部員の活躍を、成海璃子、桜庭ななみ、山下リオが好演。

 書道部顧問の臨時教師は金子ノブアキ。以前、TVドラマのBOSSで、戸田恵梨香を拉致したテロリスト役が印象的だった。陰のある役をやるといい味を出す。今回は、人を教える資格を成海璃子に諭され、熱血指導教師に変貌する。

 「つまんねー書だな。いやだなあ、辛いなあって書いてるのが、書に現れてる」その言葉で里子の書が変わる。音楽とリズムに乗って楽しく書こう。ダンスパフォーマンスで書を明るく表現しよう。

 アンジーの手紙をバックに、躍動する書道部員。跳ね上がり、筆をキャンバス(和紙)に叩きつける。青い海、煙突を描き、地元の活性化を願う。最後の文字「再生」を、腰を入れ20kgの大筆で真一文字に書き出す里子の踏ん張りについ拳を握ってしまう。下の写真は、カンヌのビーチでの成海璃子と三島高校の女子生徒の書道パフォーマンス。
 ♪いつの時代も悲しみを避けては通れないけれど 笑顔を見せて 今を生きていこう
拝啓 この手紙(ブログ)読んでいるあなたが 幸せなことを願います♪

2010年5月16日日曜日

Garnet crow @ 名探偵コナン 天空の難破船

 名探偵コナン 天空の難破船(ロストシップ)の主題歌はネオアコバンド「Garnet Crow」の「Over Drive」。どこか懐かしい曲調。(序盤の一部が山下達郎のクリスマスイヴにそっくり。オマージュ?)。コナンの主題歌楽曲数では倉木麻衣と肩を並べるGarnet crow。だるそうなアルトが特徴のヴォーカルの中村由利は全作曲をこなしzardにも曲を提供した実力派。
 新一と蘭のラブストーリーに怪盗キッドが割って入る。新一に成り済ましたキッドは蘭の心を惑わし、遂には蘭の唇が奪われたところで、エンディングテーマが流れ出す。
 どうなるんだ?子供のコナンにはキッドの暴走を止められない。シリーズ映画の最後でこんなことして次回からどろどろの三角関係か。これ子供向けだろ?横に座ってる小学生グループの女の子が「えーっ」と声をあげ付き添いの母親がたしなめる。エンディングテーマが流れるなか館内にざわめきが広がる。本筋のストーリよりも衝撃的だ。バイオテロや爆弾騒ぎなど吹っ飛んでいる。
 Garnet crowの演奏が終わるとまだ続きがありました。・・ちょっとやられましたねf^^;

2010年5月9日日曜日

熊谷育美 月恋歌 にゃむ~ @TRICK 2D 霊能力者バトルロイヤル


 鬼束ちひろがドラマTRICKで「月光」を歌い一躍人気を博したのが10年前。祝10周年で映画化。涙涙で泣けるTRICKだの、飛び出しそうな2Dだの、にゃむ~と10周年だの、基本、ふざけてて安っぽいが上田次郎(阿部寛)、山田奈緒子(仲間由紀恵)、矢部(生瀬勝久)のうさんくささのトライアングルは、それなりに気にいっている。今回ヒロイン夏帆はTVドラマ「オトメン(乙男)」で、岡田将生と共演していた女優。トリックが双子の設定は横溝っぽい。山田の母は書道家の野際陽子。冒頭の習字教室のお手本に「紀伊半多」と書いていた。たしかに、砂かけババアの実写版は本人が言うように野際陽子がぴったりかも。ともあれ、いつものB級落ちのTRICKなので詳細は割愛。(ちなみに、上田と山田の合言葉は「貧」と「乳」)
 今回のエンディングテーマには、仙台在住の歌手、熊谷育美を抜擢。「月恋歌」という、また「月」がモチーフの歌だ。「心と心が丸く重なれば優しくなれることを知った」
心に柔らかく届く良い声をしています。

ジョージ・クルーニー @マイレージ、マイライフ


 3月半ばの公開作だがパルコ近くのシネツインで遅れて上映。5月1日は映画の日で満席で退散。翌日、整理券を持ってようやく観ることができた。

 辣腕ビジネスマンのライアン(クルーニー)の仕事はリストラ宣告人。全米を飛び回り、マイレージポイントは神の域までもう少し。「結婚しない男」でドライにリストラを言い渡すライアンは同じ匂いのする女性アレックスと大人な関係を続けるが、「ネットでリストラ通告」を発案する新人ナタリーの登場や妹の結婚を機に何事にも合理的で効率を重視する彼の心境に変化が訪れる。

 ライアンはドライに見えるが、リストラされる相手を理解しケアすることの大切さを知っている。ナタリーはラブラブな彼がいて愛情の素晴らしさを語るが、大学での研究成果と野心とマニュアルでリストラ宣告を行う。互いに影響しあう二人。ナタリーはアレックスを都合のいい女扱いするライアンを非難する。アレックスと何故結婚しないのかと。

 妹の結婚式でも騒動が起きる。ほとんど家族からも離れ一人で暮らしていたライアンが久しぶりに兄弟親戚に会う。妹の相手は、新婚旅行費用を不動産投資につぎ込む少々頼りないやつだ。その彼が結婚直前に式を辞めたいと言いだす。既婚者よりあんた(ライアン)の方が楽しそうだと。
 君が辛いときって、いつも一人だっただろ。今まで、楽しかったときは、いつも誰かがいただろ?それが家族だよ。君はその絆をこれから築いていくんだよ、と言って婚約者を説得し、姉からあんたもようやく家族だと認められるライアン。

 ライアンはアレックスを家族(結婚)として意識し始めるが、思わぬ挫折を強いられる。人生の挫折を告げるリストラ宣告者の二人が、それぞれの挫折をし、また新たなフライト(傍にいてくれる誰かを求める旅)に発つ。
 ジョージ・クルーニーの表情の変化が絶妙だし、かっこいい。完成度高い映画です。

写真はジョージとジェイソン・ライトマン監督、それから女優陣(アナ・ケンドリック&ヴェラ・ファーミガ)。 

シアーシャ・ローナン @ラブリーボーン

 「私は、スージー・サーモン。お魚みたいな名前でしょ。1973年12月6日、私は14歳で殺された。これは、私が天国に行ってからのお話」
 ボーイフレンドとの逢瀬にときめく14歳の少女が魔の手に落ちる。天国ではずっと14歳。そこでは少女が望むイマジネーションのままの世界が広がる。幻想的で美しい景観の彩りに包まれ、同年代の少女達と戯れる果てしない日々。天国の見晴し台に立つと、スージーを失った家族や友人の苦しみや哀しみ、崩壊していく家族の姿が見える。わたしはここにいるよ、と愛するひとたちへメッセージをおくるがままならない。そして殺人鬼は妹にまで触手を伸ばす。

 1月末に公開された「ラブリーボーン」。可愛らしいボーン。ボーンは少女の愛称ではなく骨のこと。殺されて「小さな骨になってしまった私」のことを天国の少女が語る。(原作ではバラバラにされてしまう)
 アリス・シーボルトの原作は全世界で1000万部のベストセラー。作者自らの痛ましい体験をモチーフに天国へ逝った少女の目で家族愛を描く。
 予告編で「わたしにも何かできるはず」と云っていたので、天国の主人公が周囲を助け犯人を懲らしめる映画かと思っていると何もできないで苦悩するのがもどかしい。犯人探しに奔走する父親、家族を捨てる母親、妹が恋人と愛し合い成長していくさまを、天国から見ているだけ。地上に降りて目の前で叫んでも、気づかれない。微かに空気を揺らし、さらに愛するものを追い詰めるだけだ。
 
 ボーイフレンドと成しえなかった愛する日々のなかに妹はいる。妹の成長は嬉しい。ただ妹はスージーには永遠に掴むことができない喜びを知り、愛し合う相手がいる。死者であることを嘆き哀しむスージー。
 妹は父を信じる気丈な娘に成長した。犯人の家に侵入し、危険を冒しながら証拠を掴む。犯人は逃走の道中で、新たなターゲットに声をかけたところで天罰を受ける。そして、スージーは、霊感の強い少女の身体を借りて、傷心のときを過ごすボーイフレンドとようやく向き合うことができる。
 
 陰惨な題材だが、シアーシャ・ローナンの愛らしい魅力と美しいCGに圧倒される。物語として主人公が直接悪を成敗するものではないのでそこには期待しないこと。焦点は家族愛・絆(わたしがいなくなった後に育った可愛い骨)。
 シアーシャ・ローナン(Saoirse Ronan [ˈsɪrʃə ˈroʊnən]、1994年4月12日)はアイルランド人。名のSaoirseはアイルランド・ゲール語で「自由」を意味するらしい。シアーシャの次回作は14歳の殺し屋役。ジャン・レノのニキータを越える作品になるかも。
 映画を観るときには水分を断つこと。ポップコーンとペプシのラージサイズ。祖母役のスーザン・サランドンが母親の家出のあと、さらに家をぐちゃぐちゃにするコミカルシーンのとき席を外せばよかった。あれが唯一のチャンスだったのに。トイレを我慢して物語やCGを落ち着いて鑑賞できなかったのが心残り(:_;)