森絵都が描く世界は児童文学という範疇。
大きな過ちを犯して死んだ「ボク」は自殺した少年マコトの身体にホームステイして自分の犯した過ちの大きさを知る修業を命じられる。
マコトはいじめられっ子で、臆病で、
みすぼらしい、みっともない少年。
ホームステイ先が、冴えない少年で不満なボク。
でも、
他人の目で、家族や部活の友人、初恋の相手と
関わると、みんな一色ではない、カラフルな色彩を
持っている。苦しんでるけど、誰かを助けてる。
それぞれが影響しあっている。
それをわかっていれば、マコトは決して自殺する
ことなんてなかっただろう。
ボクはずっとマコトでいたいと願いさえする。
で・・
それを、ヤングアダルト(中高生)向けでなく、
成人や中年といった
いまの自分にあてはめてみることもできる。
人生を憂うとき、他人のまっさらな目で、
自分を生き直してみたら、今までと違う色で
人生を見ることができるかもしれない。
森絵都の別の作品(児童文学ではない)で、
ヒロインがこう述懐している
人は等しく孤独で、人生は泥沼だ。
愛しても愛しても愛されなかったり
受け入れても受け入れても受け入れられなかったり
それが生きるということで、
命ある限り、誰もそこから逃れることはできない
ともあれ、人生そう捨てたもんじゃない。
カラフルは、全世代へ共通するメッセージを持っている。
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