2011年4月14日木曜日

満開 袋川の桜並木 鳥取 0410

 サクラとCherry blossomsは同じものなのか。・・・あの花を「サクラ」と呼ぶ私たち日本人は散り際を最も愛する。桜の枝に風が吹き抜け、はらりと花弁がひるがえったとき、私たちは、その花びらを目を追わずにはいられない。・・・ところが、Cherry blossomsの語幹は、華やかで賑やかだ。手まりのような花をたわわにつけた豊満な枝振りが、累々と重なるイメージである。ここには風のドラマが入っていない。
 もちろん、どちらも桜の情景には違いないが、散り際をイメージさせるサクラは軽やかで潔く、満開の枝振りをイメージさせるCherry blossomsは豊満で永遠だ。前者は旅立ちのイメージに似合うが、後者にはそれがない。 
 「日本語はなぜ美しいのか」 黒川伊保子

鳥取大火から60年過ぎて、復興の旗印の桜は満開。このボリュームは、まさしくCherry blossomsの語幹にふさわしい。

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