2010年11月29日月曜日

うずら 初冬 @ 楽座 1128

 2年半前の楽座で、緊張した面持ちの うずら が必死にさえずっていたのを思い出す。今日は、ジョンソンアンドジョンソンとしても、タッグを組んだ橘髙優士とのツーマン。

 第三期にいたった うずら は、伸びやかに羽ばたいている。以前は知人のつくった楽曲(カーニバルの夜)をライヴのスパイスとして歌っていたが、もうそれに頼る必要はない。観客を楽しませるための充分な曲想が揃っている。"This Is My Song"といえる自負がうずらを輝かせている。

 アンコールでは、橘髙優士とともにステージでコラボ。ぶっつけとのことだが、ふたりとも馴れたものだ。良い音楽を聴かせてくれました。

2010年11月28日日曜日

週末の夜に聴く カントリー 足利陽一 @ Yellow Roses Ⅱ 


 寒さが増し、慌ただしく過ぎていく週末の夜、カントリーという憩いのひとときが待っている。都会のライヴハウスを中心に活躍する足利陽一が新作「YellowRosesⅡ」というくつろぎのリヴィングルームを届けてくれた。

 アルバムのサブタイトルには"Soft and Tender"とある。スローな曲調でまとめ、カントリーファンだけでなく、幅広い層に受け入れられる落ち着いた仕上がりとなっている。

 軽やかで爽やかな歌いだしで始まる"I Sang Dixie"から、"Song For The Life" の流れが、疲れ切った心に優しく寄り添う。"Someday"の、ゆったりとした空間で甘いヴォーカルとギターの調べにたゆたうと、"The Last Cheater's Walts"のヴァイオリンとバンジョーが追い打ちをかけるように心を揉みほぐしてくれる。 
 ピアノが入ることで、カントリーの風味が豊かになる。"The Old Rugged Cross"は特にそれが印象的だが、続く"Crazy"でのジャズタッチでさらにそれが活きる。"Till I Gain Control Again"ではピアノと弦の調和の美しさが際立っている。
 終盤の"Why Should I Be So Lonely"、"Yellow Roses"、"You Are My Best Friend" はカントリーという音楽が持つ本来の温かみを伝えてくれる楽曲だ。親友からのチアーメッセージを受け取ったら、気持ちを切り替えて明日に臨めそうだ。

 ひとはパルス(鼓動、脈動)で生きている。それがビートとなり、生活のリズムとなる。でも、ときどき、パルスとかけ離れた現実に向き合うと、ビートもリズムも崩れ疲れきってしまう。

 明日からのあなたのリズムを修復するひとときに欠かせないアイテムとして、「週末の夜に聴くカントリー」をお薦めします。「YellowRosesⅡ」というくつろぎのリヴィングルームはいかがですか。カントリーという親友があなたを待っています。

2010年11月10日水曜日

妹尾美穂「*Ki-Ra-Ri*」発売記念TOUR @ 福山 Cable 1109

  福山は寒くて、観光どころではなく、開演までスタバでひたすら待機。
 Cableはエントランスとホールが別。ホールは禁煙で、ステージは壇上。ビルの入口はわかりにくいけど、パフォーマーと観客に配慮された新しいライヴハウス。
   アメリカで活躍する松居慶子のDVDが受付の液晶に映し出されていた。松居慶子のピアノの音色も濡れている。前線の米兵が松居慶子を聴いて癒される気持ちがわかる。
 さて、今日の妹尾美穂のルックスは小林麻耶ぽいかんじ。
 アメジストの迫力、mo-riのしたたる美しさ、MOET~Evening Glowでの円熟、*Ki-Ra-Ri*のきらめき、Bright Cherry Blossomsの散り際の切なさ・・・美穂ワールドを存分に堪能してきました。

☆☆☆妹尾美穂 1st オリジナルアルバム「*Ki-Ra-Ri*」 ☆☆☆

 妹尾美穂のピアノは、人生の喜びに満ちている。柔らかな陽射しと穏やかな色彩、そして、露草の雫、せせらぎの水飛沫が溢れてくる。扱う色彩も木々の緑、青空から湖面のきらめき、夕暮れの紅まで幅が広い。
 肌に優しいモイスチャートーンが、冴えて、煌めき、心に響く。
 そして、ひとが大好きで、屈託ない天使の笑顔。
 ライヴでは「踊って歌うピアノ」になる。つねにステップを刻む足。大きくしなり、揺れる肩。全身が躍動している。妹尾美穂は、水滴を水流に変えたり、色彩を自在に表現するなどいろんなミラクルを起こす。そして妹尾美穂のピアノが届ける音符は、一粒一粒が春の雨のように優しく心に触れる。α波を生む魔法のピアノ。

 例えば、東山魁夷の絵画「静唱」からインスパイアされた楽曲
 「Song Of Silence」
 風が吹いたあと、短く響く冴えた音が連なり、テンションを積み上げる。ひとつひとつの打鍵に胸の奥がざわつく。木立を抜ける風が、さざ波となり湖面を走り、水面に落とされた陽光のきらめきのひとつひとつをピアノが表現する。木と風と水面と陽光がアンサンブルを奏でる。風が止み、また湖畔に静寂が訪れる。

 テンションの高まりとその一瞬の崩壊の繊細な展開が妹尾美穂のセンスだ。
 この才能に出逢えたことに・・感謝です☆

妹尾美穂 1st オリジナルアルバム「*Ki-Ra-Ri*」
♪妹尾美穂(piano)♪鳥越啓介(bass)♪藤井学(drums)
1.*Ki-Ra-Ri*(Miho Senoo)
2.MOET(Miho Senoo)
3.Evening Glow(Miho Senoo)
4.Odara(Caetano Velaso)
5.mo-ri(Miho Senoo)
6.Song of silence(Miho Senoo)
7.Spartacus(Alex North)
8.Bright Cherry Blossoms(Miho Senoo)
9.A Nightingale Sang in Barkeley Square(Manning Sherwin)

2010年11月4日木曜日

Mebius あかね祭 @広島文化学園大学 1103 

 中庭でアットホームなステージ。秋晴れだけど、観客スペースは日陰になってて結構寒い。

 Mebiusの前に、10/31に県立広島大学のイベントに出ていた「万貴音」が出演。県大では椅子に座ってゆったりハーモニー・デュオをしてたので、すっかり「カズン」だと思っていたら、いきなりテンションが違う。完成度の高いノリの良い楽曲が続き、ダンスまで披露してくれました。バックのカラオケも自前で演奏しているとのこと。若い楽しみな才能をまた見つけました。

ギター、ベース、パーカッションにmamiキーボード、バンド編成のMebius。お団子ヘアのnorieが半袖で寒そう。夢のかけらがオープニング。歌唱の安定度は抜群。mamiは尼崎のライヴでキーボードを持っていくのを忘れたという大物ぶりをMCで披露。最後はいつもの「くすり指のキセキ」の♪ラララで観客を巻き込んでnorieが強引に盛り上げ(^^)/
残念なのは、パーカッションがいつものボーカルマイクチェックをしなかったことと、戦場カメラマンに似たベースがベレー帽をかぶってなかったことですf^^;