2010年11月28日日曜日

週末の夜に聴く カントリー 足利陽一 @ Yellow Roses Ⅱ 


 寒さが増し、慌ただしく過ぎていく週末の夜、カントリーという憩いのひとときが待っている。都会のライヴハウスを中心に活躍する足利陽一が新作「YellowRosesⅡ」というくつろぎのリヴィングルームを届けてくれた。

 アルバムのサブタイトルには"Soft and Tender"とある。スローな曲調でまとめ、カントリーファンだけでなく、幅広い層に受け入れられる落ち着いた仕上がりとなっている。

 軽やかで爽やかな歌いだしで始まる"I Sang Dixie"から、"Song For The Life" の流れが、疲れ切った心に優しく寄り添う。"Someday"の、ゆったりとした空間で甘いヴォーカルとギターの調べにたゆたうと、"The Last Cheater's Walts"のヴァイオリンとバンジョーが追い打ちをかけるように心を揉みほぐしてくれる。 
 ピアノが入ることで、カントリーの風味が豊かになる。"The Old Rugged Cross"は特にそれが印象的だが、続く"Crazy"でのジャズタッチでさらにそれが活きる。"Till I Gain Control Again"ではピアノと弦の調和の美しさが際立っている。
 終盤の"Why Should I Be So Lonely"、"Yellow Roses"、"You Are My Best Friend" はカントリーという音楽が持つ本来の温かみを伝えてくれる楽曲だ。親友からのチアーメッセージを受け取ったら、気持ちを切り替えて明日に臨めそうだ。

 ひとはパルス(鼓動、脈動)で生きている。それがビートとなり、生活のリズムとなる。でも、ときどき、パルスとかけ離れた現実に向き合うと、ビートもリズムも崩れ疲れきってしまう。

 明日からのあなたのリズムを修復するひとときに欠かせないアイテムとして、「週末の夜に聴くカントリー」をお薦めします。「YellowRosesⅡ」というくつろぎのリヴィングルームはいかがですか。カントリーという親友があなたを待っています。

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