2010年10月25日月曜日

伊藤由奈 CYGNUS LIVE @ 鳥取短期大学大学祭 1024

 朝から降り続く山陰の雨。こんな天気はALOHAな伊藤由奈に似合わない。鳥取県の真ん中、山の奥にある短大。そのへんの高校の文化祭よりも静かな佇まい。雨脚が強くなっていくが時間をつぶす場所もない。晴れていれば、ゆっくり散策したかったのに。
 
 学生から親子連れまで長蛇の傘の列が並ぶ。短大の講堂がステージ。入り口で牡丹のようなふさふわの花容(写真)を学生が配っている。「アンコールまで見せないで」のお約束。舞台までずらりと並んだ長椅子が講堂の床を覆う。並んだ甲斐があって、右端だけど前から2列目を確保。3メートルの至近距離で伊藤由奈を待つ。ほかの学祭ではこんなに簡単には奇跡は起きないだろう。田舎バンザイ。

 開演前には、大群衆がすっかり講堂を埋めている。客層は学生、元女子大だから若い女性が中心だ。BGMが止み、照明が変わる。蒼い光のなか伊藤由奈が登場してライトアップ。なんと、ハイスクール・キャンパスファッション。黒のハイソに、赤いミニのタータンチェック。ブラウスに白いベスト。ターンしたときの見せパンは黒。ほとんど、女子高生の出で立ちだが、それが似合う。会場の嬌声のボルテージがあがり、全員総立ちに。DJとダンサー二人(女子高生ルック)を背後に従え、ダンスビートの曲を、ほぼアカペラでこなす。声自体の幹が太く、枝ぶりが豊満で、華やか。まさしく声が楽器の伊藤由奈。へたなバンドなどいらない。至近距離で、オーラ全開です。

 アコギ一本をバックにした曲が絶品。なんと、スティーヴン・タイラーが主演の娘リヴのためにシャウトするアルマゲドンのバラード「I Don't Want To Miss A Thing」を目の前の伊藤由奈が歌う。馥郁として香気溢れる声、ダイナミックかつ音調が滑らか、たおやかで力強い歌唱。高みに透き通る声に、思わず涙する。
 伊藤由奈 - I Don't Want To Miss A Thing

 そして、NANAで完全に中島美嘉を圧倒した衝撃のデビュー曲「ENDLESS STORY」。原曲は、Jody Watleyのアルバムflowerにも入っていた"If I'm Not In Love"。Jody Watleyのダンスビートと歌は好きだけど、同じ曲だとは全く気付かなかった。原曲の魅力をほかの誰よりも伊藤由奈がひきだしてくれた。ちょっと大雑把で荒いアコギが間奏のストロークをブレイクすると、サビの展開はアカペラで鳥肌。哀切と喪失の痛みを甘受する揺るぎない歌唱が講堂に響き渡る。

 「恋はgroovy×2」 など切れ味のいいダンスビートに手拍子が休みなく鳴り響く。外は肌寒いが、びっしりと人が埋まった講堂。空調などはなく、汗ばむくらいの熱気に包まれている。汗を拭いたタオルを前列に投げ込み、また嬌声があがる。1時間みんな立ちっぱなしだ。  

 アンコールでは、胸元開いた赤いタータンチェックドレスであでやかに登場。会場の全員が一輪の花を手に持って待ちうけている光景に「え、みんな、なになになに・・」と驚く由奈。バラードにあわせて、花が左右に大きく揺れる。歌い終わって、こんなの初めてと、嬉し涙を拭う。「泣いちゃだめ、笑って、可愛い、大好き」・・、ファンの嬌声が尽きることはない。海猿のテーマ「precious」を歌いあげて、大歓声のなか笑顔で去って行きました。アンコールで、観客に投げたヘアバンドは隣の若い女性がゲット。歌ってるときは黒髪に蝶が輝いて見えた。
 鳥取短期大学の学生から渡された花束に微笑む伊藤由奈(公式ブログより)。ドラマ(黄金の豚)の新曲♪「守ってあげたい」も披露して充実した楽曲構成。伊藤由奈が鳥取の山の中で泣いた奇跡のステージでした(^^)

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