2013年8月14日水曜日

ニコール・キッドマン ザック・エフロン 増幅する闇 @ ペーパーボーイ 

 犯罪者に性的倒錯する危ない女とマザコン兄弟のそれぞれの性癖が人間の闇をさらに増幅する。1960年代の黒人差別が残る南部。ぎらつく陽射しと欲望と狂気。殺傷シーンでは観客から悲鳴もあがる。
地元の新聞社の見習いザック・エフロンのまえに突如現れた年上の女。ペーパーボーイにとって、ニコール・キッドマンは、恋人で、母で、性欲の強いバービー人形だった。凶暴な男との沼での生活を後悔しはじめたニコールはあなたが正しかったと手紙を出す。
 ミステリーでもサスペンスでもなく、もはや真相は意味をなさない。陰惨な闇が広がる、そんな映画だった。それぐらい、役者の力量がすごい。

 「イノセント・ガーデン」では、事故で夫を亡くし、葬儀当日に突然と現れた義弟と実の娘に翻弄される情緒不安定な母を演じていたニコール。そのときのインタビューで映画での暴力表現について、こんなふうに答えている。

 「搾取的な暴力は好きじゃないけれど、関連性がある場合に映画で暴力を使うことには反対していない」
 「知的なアイディアが元になっている限り、それに単なる搾取でなければ、そういう作品も検討するし、非理知的に、知的に要求されることもかまわない」
 「そういう要求は受ける気持ちがあるし、オープンに対応する。たとえば芸術を見せるような形だったら、自分の芸術で暴力を扱うこともかまわない。文学や映画という観点では、暴力があることを受け入れているから、時には、進んで自分自身をそういう要求される立場におくつもりもある。」

 ペーパーボーイ、なるほどR15指定です。

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