2013年6月1日土曜日

映画の日 イノセント・ガーデン 狂気の国のアリス ミア・ワシコウスカ

  毎月1日は映画の日で千円。朝から観たトム・クルーズのオブリビオンは最前列しか空いていなかった。川崎駅周辺にチネチッタ、109、TOHOのシネコンがあるけど、「イノセント・ガーデン」をやっていたのはTOHOだけで、もう夕方の回しか空きがない。

不思議の国のアリス

 父親の葬儀の日、母子(ニコール・キッドマンとミア・ワシコウスカ)のもとに、いままで会ったことのない叔父(マシュー・グード)がやってきて、それ以来周囲から人が消えていく。

 ミア・ワシコウスカは2010年の「不思議の国のアリス」の抜擢で名をはせたが、美人とか可愛いとかでなく、ちょっとエキセントリックな印象の少女だった(共演のアン・ハサウェイの白の女王も十分奇妙だった)。それが、今回のサスペンスでは知的で寡黙な少女役が見事にはまる。邦題のインセント・ガーデンも意味深い。庭は父親が子供のころからイノセントな場所ではない。

  冒頭で、草原の風に吹かれながら佇み微笑む、「満たされたい私の欲望」の独白の本当の意味は最後の最後で知る。父親は娘の異変にいつから気づいたのか。母親が怯えたように娘に問う、Who are you?は娘の欲望の萌芽を表すのか。

 ハンティングで緊密な関係を保ち母親がわりこめないほどの関係を築いていた父と娘。獲物を狙う目が魅惑的で、確実に獲物を仕留める技量を磨いている。メトロノームの緊張感や物が壊れる音のかぶせ方、ディミニッシュだけど冴えた色の映像美も息つかせない。叔父とのピアノ連弾で目覚める娘の本能(悪意?)の描写も見事。ニコール・キッドマンが、悪意に翻弄される「ふつう人」の母親役をよく演じてます

 揺れるスカートに少女が巻きつけた父親の長く太いベルトが怖い・・

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