2008年5月24日土曜日

声のための準備(力みから共鳴へ)


 バンドの掲示板にマッキーさんがやってきたとき、ボイトレって何かしてますかと聞いたら、「背中に空気を入れる腹式呼吸」と不思議な答えが返ってきた。ああ、やっぱりこの人は魔女だ。真夜中になにか秘密の儀式をやっているに違いないと思っていたら、ボイトレの基本の本に、「鳥が羽を肩から広げるように、背中を丸めたまま、腕を広げて息を吸う」とある。魔女ではなく先人のお言葉でした。そして、その本には声を出すポイントはノドそのものではなくて、「喉の下から胸を中心」に意識するとある。(つい力んで喉を締め付けて裏返ったりするけどね)呼吸法の考え方として「身体の力を抜き、共鳴腔を開き、横隔膜の支えに息が入った時点で成り立たせる」とある。
 5月のライブで佐々木彩が、自分は声のプロ、声を職業にしているという話をした。だから、歌はもちろん、ナレーションや語りを含めてのプロだと。(言い切れるのがすごいよね)そのなかで、口腔・鼻腔を中心とした共鳴腔の制御みたいなことができるといって、モザイクの人の声真似をしてみせたが、彼女としてはその共鳴腔に弁をつけるような意識で声を操れるという。
 佐々木彩は女性としては音域が低い方だけど、彼女にはその共鳴の武器がある。ケ・セラ・セラのようなありきたりの曲の序盤で、シドレドシ、ラシドシラ(かな?)の女性が裏声で使わないような音域を裏声で表現するんだけど、その共鳴が胸を打つほど美しい。今までにこの曲を歌う誰もができなかった、素材(原曲)の魅力を引き出してくれる。
 自分を含めた素人バンドの歌がしらけて聞こえるのは、うまく聞かせてやるぞの力みが声に現れているからだろう。自分自身の声を最大限に活かす共鳴を意識して練習すれば、きっと結果がついてくる。聞かせるといった力みを失くし、いまここにいる人たちに自分が好きなこの歌を届けたい、そんな気持ちになれれば。
 佐々木彩の話を聞いたあと、バンドの練習で、喉をあけて(喉にヒヤリと空気を感じて)顔の芯で音を共鳴させるように「ホームにて」のクレッシェンドを歌うと、今までにないなめらかな表現が出来たような気がする。・・・先人たちはすごいね(^^)

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